今回読んだ本:「探求型読書」
書名:探求型読書
著者:編集工学研究所
発行:(株)クロスメディア・パブリッシング
発行日:2020年8月11日
読もうと思った理由
簡潔に言うと、「本の内容を長期記憶にして頭に残しておきたい!身になる読書をしたい!」と思い、その方法が載っていそうだったからです。
私は、今まで読書をしても全く頭に残らず、他の人に説明をしようにも、全然できなくて苦い顔をされるのが常でした。笑
でも、仕事で色んな業種の方と関わる機会があり、自身の専門分野や関わる方たちの分野についても勉強しておきたいし、
説得力ある話をするためにも、最低限の知識をもっておかないと、人の役に立つことはできない・・・と思い始め、
読書の質を上げるために、読書をするための本を読もう!
と思い立ったのがきっかけで、読書方関連の本を探し始めました。
そんなとき、ふと出会ったのが、この「探求型読書」でした。
「探求型読書」ってどういうこと?
タイトルだけを見ると、「じっくり時間をかけて読んでいく感じなのかな、、、?」
と思うのですが、実際には短時間で本を読み込むスタイルのようです。
また、個人的には本の内容をしっかり把握する事が読書だと思っていたのですが、
こちらの書籍では、本の内容の把握に重きは置いていません。
“「本の内容を余さず理解しながら読み通すこと」を読書の目的とするのではなく、自分の思考を縦横無尽に展開させることを目的に本を活用すること、「本を読む」ことそのものより、「本を手掛かりにして、考えること」を推奨するメソッドです。”
出典:編集工学研究所「探求型読書」
あくまで、本の力を借りて、自分の思考を展開していくこと、が目的の読書法のようです。
ちなみに、著者は「編集工学研究所」といって、「編集工学」という学問からアプローチして教育や研修の事業を展開されている方々です。
今回私は、初めて「編集工学」という分野を知ることになりましたが、この「探求型読書」の基礎は「編集工学」にあります。(詳しくは、ここでは割愛します。)
実際どんなことをやるの?
大まかに言うと、①読前、②読中、③読後、と3ステップで進めていくようです。
以下のように、私なりに簡単にまとめました。(ちゃんとした内容は書籍を読んでくださいね。)
①読前・・・表紙や目次で「本の内容の仮説」を立てる!
私、今までこんなことやったことなかったです。。。
でも、ただただ読み進めていくのではなく、
「この本は恐らくこんなことを言っている本なのではないかな?」
「私の疑問に、こんな答えを出してくれるのではないか?」
と事前に頭の中を整理することで、
断然、読む姿勢が違ってくることを感じます。
読む前の準備体操、これすごく大事!
しかもポイントは、
・読む前に本の内容を予想する
に加えて
・読んだ後はこう思うだろう、という「読書後の感想」も予想する。
というのが、どうやらミソのようです。
最低限の情報で、ある程度のストーリーを自分の想像で補足しながら組み立てていくことで、これから読む際のそれとのギャップが、自分に新しい気付きや考えをもたらしてくれる、ということのようです。
②読中・・・立てた仮説を意識しながら読み進め、自分の中でいくつもの「問い」と「答え」をグルグル回す。
最初に立てた仮説をベースに読み進めていくと、
他にも「じゃあこの場合はどういうことだろう?」と疑問が派生していくと思うんですよね。
そのそれぞれの「あれ?」「これってどういうこと?」と思いながら読み進め、
その答えを読みながら発見したり、自分の持ち合わせの知識から見出したりすることが、自分の処理能力を上げていってくれるようです。
確かに、勉強しているときもただ参考書を読み進めていくよりは、
答えを隠して、問題を解きながら進めていった方が、確実に定着度は違いますよね・・・
③読後・・・内容を振り返って「自分事」に置き換えたり、繋げる。
これも、今までやったことないです・・・笑
でも、これもめちゃくちゃ大事だと思うんですよね。
この本の中では、以下のように言っています。
“本を読んだままにするのではなく、他の知識や他の本、他の経験へと、類推を駆使しながら、つなげていくことが大切です。そうすることによって本の内容は、単なる「情報」から生きる力を育む「知恵」になっていきます。”
出典:編集工学研究所「探求型読書」
これ見て思いだしたのが、英語系youtuberの方が似たようなことおっしゃってて、
「自分事にしないと覚えられないよ。」と言ってたんですよね。
例えば、今日あった出来事を英語で日記にしてみたり、目に入った身の回りのものや動作・出来事を、英語でしゃべってみたりすることが、英語を話す、会話する、スピーキングには大事だと。
これって、恐らくどんな分野でも言えますよね。
何かしら学びを進めていく際には、身近なものと結び付けていくことが基本なんだと思います。
賢い人って、こういう風に世の中のことを見ていって、解像度上げていってるんだろうなと。
まとめ:「探求型読書」は、結果的に、頭に残る読書法だと思う。
以上のように、内容の把握よりも、自身の思考を深めていこう!ということが主旨の読書法だったのですが、
私が最初に求めてた
「本の内容を長期記憶にして頭に残しておきたい!身になる読書をしたい!」という目的は達成できるのか?
についてはどうでしょうか。
今のところの私の答えは、
結果的にこのプロセスが、短期記憶→長期記憶に移していくことに効果的だと思う!
です。
いくら「本の内容把握はそこまで、、、」といいつつも、
自分の持っている問いの答えを探しながら読んでいく姿勢って、自ずとぐんぐん内容把握をしていくと思うんですよ。
しかも、結構な密度で。
じゃないと、モヤモヤを抱えたままスッキリしないのでね。笑
しかも、ただただ知識を覚えるよりも、身近なものや出来事を結びつける過程を経ることで、
あとで似たような場面に出くわした時の、引き出しの引き出しやすさにつながると思うし
ていうか、これができるようになるための読書ですよね?という気さえしてきます。
(今回は、仕事上でも役に立てたい読書、を意識しているため。)
ちなみに、この書籍の中では、実際に行われている学校や企業向けのプログラムについての記載があるのですが、
企業向けに行われているのも、すごく納得です。。。
自身の心の中の知識の言語化って、ビジネスマンには必要なスキルですよね。
おまけ:ちょっと難しいと思う人もいるかな。本の種類にもよるかも。
一方で、紹介されているメソッドの中には、ちょっと難しい、、、と感じ部分もあったり、
人によっては、この推奨しているメソッド通りに進めていくには、ハードルが高いと思う人もいるだろうな~と感じたりもします。
また、本の内容によっては、やりにくい分野もありそうだなと。
書籍内でも、目次なんかが割としっかり項目分けされている新書をおすすめしますとも記載あり。
うーん、確かに、小説とかでこの読み方はめちゃくちゃ難しくない??と思いつつ、
小説って、あるテーマを直接的に言わないで人や風景の描写だったりで伝えようとしているものなんだと思うと、
かなり高度な読みものだなぁと、改めて文学者のすごさを感じているところです。
ちゃんちゃん。